【第3回】下回りの左半分を極限まで清掃するチャレンジ【さび落とし編】

クルマの下回りの美観を復元するチャレンジをはじめました。

目指すのは、「新車同等の美しさ」。

美しい下回りの見た目を取り戻すために、工程ごとに作業内容と効果を紹介していきます。

前回のブラスト編に続き、この記事ではさび落としの工程について書いていきます。

関連記事 【第2回】下回りの左半分を極限まで清掃するチャレンジ【ブラスト編】 スポンサーリンク

錆はボディの最大の敵

下回りの錆…これは我々オーナーを悲しい気持ちにさせるものです。

普段見えない部分だけに、いざ愛車の実態を知ってガッカリ…なんてもことも少なくないはず。

悪質な錆「赤錆」

鉄に発生する錆は鉄が酸化した「酸化鉄」であることはよく知られていますね。

錆は、もはや元の鋼材とはその性質を異にしており、材料としての機械的性質が大きく低下したもの。 錆の発生した部品は、したがって機械の構成要素としての機能を果たせないこともあります。 恐ろしいです…

ちなみにここでいう錆とは、「赤錆」として知られるもので、Fe2O3として知られる酸化鉄です。

良質な錆「黒錆」

一方、鉄の錆には良質なものもあり、これがFe3O4で表される「黒錆」です。

これは鉄鍋やスチール製のナイフの表面にあるような錆で、地金を錆から守る良い錆です。

防錆処理として、意図的に黒錆を発生させておく施工方法もあります。

下回り錆を落とす方法

改めて今回の実験車を見てみると、いい感じに赤錆が育ってくれています。

ブレーキロータやナックルなどの鋳鉄部品は特に錆やすい。
ホイールのハブにも同様に錆が起きています。
表面がメッキされたスタッドボルトにも、根元部分には錆が見られますね。

こんな状態のクルマに対して、今回は次の3つの方法を試すことにしました。

  • ブラシで錆を落とす
  • 化学反応で落とす
  • 赤錆を黒錆へ転換する

以下の章で紹介します。

スポンサーリンク

下回り錆落とし1.ブラシ・たわしで落とす

ブラシやたわしを使い、部品表面の錆を落とす方法です。

物理的に錆をこすり落とすので、ほとんどのサビはこの方法で気持ちよく落ちていきます。

ターゲットは、広範囲に錆が浮いているような部品。
とにかく目につく錆はブラシでこすり落としてしまいます。

ブラシで錆を落とす

錆を落とすためのブラシには、ワイヤーブラシ、スチールブラシ、真鍮ブラシなどがあります。

今回は、手持ちの真鍮ブラシを使用しました。

真鍮ブラシは柔らかく、錆を落としながらも部品そのものへの攻撃をおさえられるのが特徴的。
反面、作業するときは力を加減しないと、ブラシの先端が丸まってしまい、錆取りの効果が弱まってしまいます。 力の加減には注意したいところ。

作業を始めるとみるみるサビを落とすことができて、ちょっと快感を覚えるほどです。
私だけかもしれませんが…。

握り手がしっかりしていれば、手先への負担も軽減できます。

たわしで錆を落とす

そんなわけでブラシは便利なのですが、残念ながらかゆいところに手が届かないんです。

そんなときには、これの出番。

錆落とし用のナイロンたわしです。

こういった感じで細かな形状にもフィットしてくれるので、仕上げ作業に適しています。
真鍮ブラシよりはサビ落としの効果が低く、作業性が落ちるので、代わりに根気強さが必要となります。

面積が広い部品は電動工具が圧倒的に楽

ブレーキローターなど、錆の発生している面積が広い場合、電動工具が便利です。 電動ドリルに先端工具のブラシを取り付ければ、作業を圧倒的に効率化することができます。

写真はRYOBIの電動ドリルです。
予備のバッテリが1つ付属しているので、連続作業にも向いています。

最近は、こうした機械に任せられることは任せています。
自分の時間は、次の作業について考えたり、新しいことを考えたりして、創造的なことに使うほうが合理的ですからね。

大抵の電動工具には、「作業が楽」以上の価値があるものです。

効果

一通り、ブラシによる錆落とし作業を終えた後の様子です。

特別なことをしなくても、この作業だけでかなりの錆を落とすことができました。

スポンサーリンク

下回り錆落とし2.化学反応で落とす

もう一つのサビ落としのアプローチは、化学反応で落とす、です。

ターゲットはブラシで傷をつけたくない部品

ヤスリやブラシで磨けば錆や汚れを落とすことができるんですが、同時に素材そのものも傷つけてしまうのがイヤだ。
サビてしまっているとはいえ、部品の鋳肌や加工目を残しておきたい場合、こういった荒い作業は避けたいところ…

そんなわけで使いたくなるのが、酸化還元反応を利用したサビ落としの方法というわけです。

今回はスタッドボルトを対象にテスト

今回の実験対象は、スタッドボルト。
特に、普段ナットと噛み合っておらず、外気にさらされている根元部は、サビの被害を大きく受けています。

今回使用したのは、こちらのスパールジェル。
ジェルタイプで、対象部位が垂直の面でも塗布が楽です。

強力サビ取り剤ジェルタイプ スパールジェルは研磨剤(コンパウンド)ではなく、薬理作用によってサビを除去します。そのため、余計な磨耗がなくパーツの精度が狂わすことなくお使いいただけます。研磨剤ではないため強くこする必要がなく、ペースト状の研磨剤では取り除くことが困難な細かい部分のサビの除去も簡単に行えます。また、不燃性のため安全にお使いいただけます。

【強力サビ取り剤ジェルタイプ】 スパールジェル 100mlより引用

効果

ということで、サビのひどいスタッドボルト根本へ塗布して、効果の程を確認しました。

塗布後すぐに、反応が始まります。

5分ほど放置して、拭き取りました。

実際のところ、サビた箇所を十分にこすらないと、サビは落ちません。
ブラシの届く範囲はサビを除去できましたが、中心に近い側はあまり変わっていませんね。

このジェルの検証は、他の部位でも継続して検証していきます。

下回り錆落とし3.良質な錆へ転換する

今回の作業でメインとなったのは、赤錆を黒錆へ転換してしまう方法です。
詳しいメカニズムはここでは省略しますが、赤錆から転換された黒錆は酸化被膜となり、サビの発生や進行を妨げてくれます。

下回りに発生した赤錆を黒錆へ転換

錆転換するには、錆転換剤を対象部位に塗布する方法が一般的。
アフターマーケットでこの錆転換剤は古くから知られており、実績ある信頼された手法と言えます。

錆転換剤には入門用からプロ用まで様々な製品がラインナップされていますが、今回はソフト99の赤サビ転換防錆剤を使用しています。

購入はこちら「99工房 赤サビ転換防錆剤」で検索

少量で試しやすく、刷毛塗りタイプなので施工の難易度も低いのがありがたいところ。
筆付きなので、すぐ作業に入ることができます。

ナックルに施工

今回は、錆の状態がひどかったナックルに施工しました。

このナックルは、ダクタイル鋳鉄製。
鋳鉄部品というのはもともと、とてもサビが発生しやすいです。
ブレーキディスクやドライブシャフトのインボード、アウトボードなどが良い例ですね。
なんなら新車の状態でサビていたりします。
開発陣はどのように機能や耐久性に自信を得ているのか気になるところ…
マーケットでのサビの程度を把握して設計の前提条件にしなくてはいけないですからね。

話が逸れました。
黒錆転換作業前に、ナックルのサビは可能な限りブラシで落としておきました。

効果

塗布後すぐに、サビの発生していた箇所が黒に変色して、黒錆へ転換が始まったことが確認できます。

しっかりと転換されています。

ここは黒色のままでもいいんですが、できれば元の鋳鉄の色合いが欲しいところ。
このあたりは、後工程の塗装で取り組むこととします。

スポンサーリンク

下回り錆落とし後の様子

今回の作業後の様子は、こんな感じです。

見える範囲で錆はなくなりました。

スポンサーリンク

まとめ

この記事では、「【第3回】下回りの左半分を極限まで清掃するチャレンジ【錆落とし編】」について書きました。

ほとんどのサビは、真鍮ブラシで除去可能。
素材を傷つけたくない箇所は化学反応で除去すべし。
黒錆転換は、再びサビを発生させないために有効な上、簡単に作業できる点もした。

次回は、塗装の工程へ進みます。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。