【業者が喧嘩?】クルマを高値で売ると意気込んだものの失敗した話3つ

私、これまでクルマを10台を手放してきました。

今でこそ売るときのパターンは確立してきていますが、
思い返すと、クルマを売るときには後悔や失敗もあったよな、と感じています。

そんなわけで、クルマの売却にあたって私が経験した失敗を、カーライフの軌跡として自戒も込めて書き残すことにしました。

なお、失敗の経験から成功のきっかけもつかんでいるので、併せて紹介します
クルマを売却する方法を検討されている方や、高くクルマを売りたいとお考えの方にも参考になるはずですので、ぜひご覧ください。

スポンサーリンク

クルマ売却の失敗1 下取り査定を依頼したこと

俺のクルマは人気車種だ、と張り切る

クルマを高く売りたい!
初めてクルマを売ろうと思った次の週末、そう決意して、
私が所有していたクルマやそのメーカをの個体を専門に扱うお店に査定をお願いしに行きました。

いまでは下取りなんて大した値がつかないことなどほぼ常識ですが、
当時そのお店のブログやホームページには
「買取強化中です。」「**(モデル名)の高価買取に、本当に自信があります。一度ご連絡ください。」
という記載があるのを見て、自信を持って店に向かったことを覚えています。

今考えれば、次のモデルを買ってもらうための集客の一つの手法だとも分かるのですが、他の下取りの宣伝などとは違ってしっとりとした書きぶりであったことから、その高価買取という文言を信じ込んでいました。

いざ店につくとホームページとは全く違う空気感

張り切って到着して、どうだ!と言わんばかりに店の前にクルマを駐めるも、誰も出てこない。
仕方なく店に立ち入ると、かなり静かな雰囲気です。

積極的な接客もしなさそうな店だったので、こちらから要件を伝えます。(この時点ではまだ自信満々)

「クルマを査定してほしくて来ました」
「!?さ、撮影?」

い、いや。査定してほしいんですけど…
撮影って…

なんなんだこの雰囲気は…。
あれだけ買取したい、買取には自信があるといっていたじゃないか。

このあたりから、ようやく自分が空気を読めていないことを察し始めます。
そもそもクルマを買い取りたかったら、この時点で興味を示してくれても良いはず。
それを、査定という言葉を聞き間違えてしまうくらい普段から使っていないのだとすると、やはりこれは店にくる動機にしてほしかったり、あるいは自ショップのモデルに対する自信を占めるためのイチ表現手法であったということです。

査定額は65万円。これは相場の1/4である。

なんとか今日このお店に来た理由を説明して、査定をしてもらうことに。

このあたりからこちらのテンションもかなり下がっています。
そうだよな…そもそも下取りの査定なんて、このお店の人達も金額を上乗せして販売しなければいけないんだし、大して期待はできないよな…
そんな思いを巡らせながら、待ち時間を過ごしました。

あまり時間が経たぬうちに担当の方が戻ってきて、金額を伝えてくれました。
「まあ、65万円くらいですかね」

この金額に、今日2度めのショックを受けることになります。

65だと…!?

覚悟はしていましたが…これは当時の中古車相場のおよそ1/4。
距離も7万キロを超えたところでしたし、事故もなく、程度が極めて悪いということもありません。
やる気がないとはいえ、これは少しひどいと思いました。

学んだこと

  • 下取り査定は効果買取に適した目的・仕組みではない
  • 目的は集客がメインであり、
  • 謳い文句「高価で下取りします」の「高価」は、こちらの期待を遥かに下回る

結局この日は、お店までの時間とお金を無駄にしたと言わざるを得ません。

下取りの査定は、そもそもそこで買う前提のお客さんに、痛手を追わずメリットを提示するためのもの。
そこできちんと買わない限り、ほとんどのケースで査定する側にとっても負担でしかありません。
そもそもクルマを手放す側に多く支払いができるように最適化・効率化された仕組みでないことから、高く売ることに関しては望み薄です。

そのお店で買うことも決めていて、他の方法で売る一切の手間も惜しい。手放すクルマも廃車同然で価値なし。
こんな場合以外には、下取り査定をお願いすることはしない、と決意した日でもありました。

クルマ売却のために一括査定を試してみる

次にクルマを売る機会が訪れたのは、3年後のこと。
依然としてクルマを高く売りたい私に、すでに下取りに出す選択肢はありません。

ではどんな手段を使えばよいか…?
ここで当時の私には考えがありました。
それは、一括査定です。

これ、かなり人気のやり方です。

理由は、楽だから。
一度条件を入力することで、そのクルマの買取に興味のある業者に情報が行き渡り、最も好条件を示してくれるところにクルマを売ることができる、優れたシステムですね。
ラジオとかインターネットでの広告も多く、この手法が積極的に勧められています。

下取り査定で苦い思い出をした私…。そもそも一社決め打ちで望んだことも敗因だと思っていたので、多数の業者に自分のクルマを評価してもらえることはとても魅力に感じました。

しかし私、この一括査定でも失敗を経験しているんです。

スポンサーリンク

クルマ売却の失敗2 一括査定で個人情報をばらまいたこと

これも、今となってはやらなくてよかったかな、と思うことです。
失敗2は、一括査定で個人情報を配ってしまったことです。

登録1分後からひっきりなしに電話がきます。

とりあえず、一括査定のサイトでクルマの情報を登録してみました。

一回の作業で10社ほどに自分のクルマを見てもらえるので、効率的だなぁと思ったのもつかの間。
登録完了したわずか1分後から電話が鳴り止まなかったときには、早くも後悔しました。

狙っているクルマがサイトに登録されると、他の業者に負けじと、もはやこちらの都合は構わず電話をかけられるんですね。
さすがにこれにはちょっと恐怖を感じてしまいました
なんか、監視されているようで…。

電話は夜遅いことも。査定日を決めるまでゴリゴリくる。

ちなみに、電話は夜の遅い時間になることもあります
私の場合は夜9時を過ぎていました。

そして一旦電話にでると、なかなかゴリゴリきます(笑)

具体的には、現車を確認する約束を取り付けるまで、いろいろな方向から会話を続けようとされる感じですね。
「売却はされなくても全く問題ないので、とりあえず価値を知ってみませんか?」などなど。
かなり積極的です。

早いところクルマを売りたい方には話がはやくて好都合かもしれませんが、クルマの価値を知りたいだけ、と思う方にはかなり強引に感じるでしょう
「売却は必須でない」とは言いながら、あちらは出向査定に時間もお金もかけて来られるわけです。
成果なしで帰るわけにはいかない、というのが本心でしょう。

興味を示す業者の目に止まれば、ただの査定ではすまず、クルマを確実に買い取られる。
申込みの気軽さ以上に、実際は大きなことが動く、ということを念頭に置く必要がありました

電話の多さで個人情報をまいたことを実感する

そんな電話が5件も6件も続くうちに、自分の情報が広範囲に渡っているんだな…と実感するようになりました。

最後の方は「もう売る先が決まりました」とか、「全く売る気はありません」なんて言って、断っていました。 こちらもかなり身構えてしまったわけです。

このように、多くの業者に自分のクルマを知ってもらうということは、それだけ自分の情報を多くの業者に渡らせるということを意味します。
査定に使ってもらう分には悪いことは無いのですが、近年、意図せず情報流出をさせてしまう事故などのニュースもありますから、そういったリスクを理解しておくことが大切です。

学んだこと

  • 一括査定に申し込むと、個人情報が広範囲に配られる。
  • 申し込みのわずか1分後から電話がひっきりなしにかかってくる。
  • こちらの都合は構わない。夜9時以降に着信があることもあった。
スポンサーリンク

クルマ売却の失敗3 買取業者を家に呼んだら喧嘩が始まってしまったこと

実は上の電話で、その日中に査定をしたいという業者Aがいました。
たまたま近くに担当者がいる、
と、かなりの意気込みです。

まあ、査定だけならいいか…

そう思って時間を約束したのですが、
次の瞬間、今度は違う業者Bから電話がかかってきました。

業者B

今日、伺うことは可能ですか?

業者Aの先約があったのでその旨を伝えると、

業者B

同じ時間帯に伺わせていただくこともできます。
そのほうが、好都合を示す方にお売りになることもできますよ。
業者Aさんは何時にお約束されているのですか?

なんと、もう売ることが既成事実になっている…
それはさておき、なんなら同じ時間に査定してもらって、互いにプレッシャーをかけつつ査定してもらいたい、 と、下心たっぷりで結局お願いしました。

業者が到着

その日の夕方。
約束の時間より速く、先に電話をくれた業者Aが到着しました。

実は後に電話をかけてくれた業者Bは、たまたまスタッフが隣の県にいるとのこと。
査定開始時間が結果的に30分ずれることになったんです。

先に到着されたAは、
私のクルマをみるなり細かなところまで確認を進め、

業者A

とても需要が高まっているんで。
いまなら高く提示できると思います。

と言います。
ひとまずこちらの希望額を伝えると、
本部に電話で確認を取り始めました。

30分後、業者Bの方が到着します。
こうして集合すると、すこし空気が緊張してきました。

業者Bにも同様に車両のチェックをしてもらい、
いよいよ交渉が始まりました。

同時発表かオークション形式か?

いま、2者の査定額が出揃った段階。
それぞれ、買取できる額を心に決めている状態です。

これをどのようにして交渉に持ち込むかというと、
私の場合は2つやり方を提示されました。

一つは同時発表の形式。
名刺の裏に査定額を買いて、せーの!で見せ合うやり方。
額の高かった方を選ぶというものです。

もう一つは、オークション形式。
スタート価格を決めて、互いの上限額に達するまで交互に額を提示し合う方法です。

上記の説明、業者Bの方がしてくれたのですが、Aがすかさず

業者A

オークションにしましょ

と、かなりこだわりがある様子。
私が反応する前にAが強引にオークションに持ち込んだので、
Bのお兄さんはいい顔をしていませんでした。

まあ私も、オークション形式なら互いに心に決めた上限額が揺らぎ、より高い額を引き出せるのでは?と思ったので、そのままオークション形式でお願いすることにしました。

スタート額を70万円にして、いよいよスタートです。

オークション形式でスタートするも約束と違う業者A

業者A

70

業者B

80

業者A

85

業者B

88

業者A

開始後すぐに、Aがつまりました。
おそらく業者Bの勝ち…。
値段はこんなもんか…なんだか、あっさり。

すると、

業者A

ちょっと待ってください…電話してきます

業者Aはそう言って、電話に言ってしまいました。
どうやら、本部に状況説明をしにいったようです。

業者Bのお兄さんは、そのことをあまり良く思っていなさそう。
自分が買い取れそうな流れを崩されましたし、
本当はこれ、約束と違いますからね。

少しして戻ってきたAは言います。

業者A

90でどうでしょう

値段を上げてくれました。
場の空気は悪いですが、こちらとしてはありがたいです。

業者B

92
Bのお兄さんは、まだ価格を上げられるようです。
業者Bのほうが高値を出してくれそうな流れです。

業者A

ここでまたしても、Aがつまりました。
やはり予想通り、Bの提示額に決まりそうです。
しかし…

業者A

電話してきます

私は嬉しいんですが、やはり決めたルールと違う…
業者Bのお兄さんは、かなり苛立っているよう。怖い…

しばらくして電話から戻ってきたAは言います。

業者A

94で

業者B

95

業者A

電話してきますね

すごいな、A…
かなり強いハートの持ち主です。
しかしここで、Bのお兄さんがついに口を開きます。

業者B

おい、ちょっと待てよ。

なんと業者が喧嘩!

うわー。怖えぇ…。
やっぱりそうなりますよね…。

業者B

ちょっと待てよ。なんでお前払える額が変わっていくんだよ!約束と違うだろーが

お、お前って言った…。やばそう。
もともと強面のお兄さん。
今にも襲いかかってしまいそうです…

Aの方はそれを聞いていますが、なんとBの顔を見てもBを無視して電話に行ってしまいました。
Bほど口数は多くないですが、その態度はまさに喧嘩腰です。

夕食の時間どき、静かな住宅街に喧嘩の声が響き渡っちゃってるよ…
私、どうすればよいのか…。

オークションの絶大な効果を知るも心労重なる

業者A

100。100でどう。

Bの怒りを無視して電話から帰ってきたAは、ここで大幅上げです。

業者B

はい。降りる。

Bの方は、はじめに決められた上限を超えたところですぐに、降りる宣言をされました。

ここで、査定額の決定です。
しかしBのお兄さんの怒りは収まりません。

業者B

まじでさ。オタクはいつもそうやって買い取るのか?やり方がおかしいだろ。なんで額が変わるんだよ?

これに対して、Aは全くの無視です。
かなり険悪な空気の中、Bの方は早々に帰宅され、Aの方は書類の準備をし始めました。

これにて、査定が終わりました。

それにしてもすごい。
初めは85万円であったAの査定額を、100万円まで上げてしまったんです。
オークション形式の絶大な効果を目の当たりにしました。

しかしその一方で、今日の出来事はかなり後味の悪いものでした。

学んだこと

  • 出張査定は「査定」ではなく、確実に買取に来る
  • 同時の出張査定は険悪な空気になることがある
  • 競合がいるためオークション形式の査定は効果絶大

失敗を経てたどり着いたクルマ売却の方法

一括査定の経験で、オークション形式の良さを知った私。

高値を引き出すには本当に効果的だということがわかりました。

しかしもうあの日の出張査定のような思いはしたくない…。

気分の悪くならない(笑)オークションは無いものかと方法を検討し、現在はオークションをメインで利用しています。

オークションは競りの効果だけでなく中間コストが少ない

オークション代行とは、参加資格を満たした業者のみが参加できるオークションで、クルマを売りに出してもらうこと。
このオークションには多くのディーラーや中古車販売店も参加しているため、入札数はかなりのものになるんです。

下取りに出す場合などと比較して中間コストを削減することができるため、高額でクルマを売ることができます。

NOTE

一般に中古車販売店などは、仕入れ値に大して大きな額を上乗せします。
私が経験した1つのケースでは、最終的な売値185万円に対しておそらく30万円ほど。
一方、オークション代行に依頼した場合、手数料は車両輸送費込で10万円で引き受けてくれました。

例えばこちらのUSSは、日本で最も大きなオークションです。
>>オートオークションの仕組み

オークションには経験と勘が物を言うケースもあります。
過去の経験や相場から適切なスタート価格や最低落札額などを設定したり、入札による値動きや入札者の心情を読み解いて、セリの展開を巧みに操るプロフェッショナルも大勢います。
こうしたことから、自分のクルマを最高額で売るためには、プロに代行をお願いするのが合理的です。

では、どのようにオークションに参加するのか?
私のカーライフの軌跡として、以下に方法を3つ紹介しておきます。

オークションへの参加の仕方 1. オークション代行業者の紹介を受ける

知人の紹介を受ける、というのが1つ目の方法です。

知人であれば、手厚く対応してくれたり、買い替えなどで売りと買いを同時にお願いすれば、多少手数料を引いてくれるなどもあります。

また、タイムリーにオークションの状況を教えてもらえることもあります。
以下のようなことは、結構あるんですよね。

代行業さん

急遽、明日のセリの個体がでてきました!ご希望の価格で落とせるかも知れないんで、入札チャレンジいたしましょうか?
私朝イチで会場に行けるんで、クルマの状態も見てきますよ。確認してほしいところがあればお申し付けください。

いいタマに出会えるのであれば、ちょっと夜遅くても、こうした連絡はありがたいです。

こちらの希望も、親身になって聞いてくれます。

オークションへの参加の仕方 2. 近所のオークション代行業者を検索

そうは言っても、知人のつながりで代行業をやられている方を紹介してもらえる方は限られてしまいます。
でも、実はオークション代行が可能な業者さんは、結構な数いらっしゃいます。

Googleなどの検索エンジンで

「オークション代行 + (地名)」

などで検索すれば、代行を行ってくれる中古車屋さんや整備工場を探すことができます。
コンタクトをとって要件を伝え、こちらの提示する条件に好感触をつかんでもらえれば、依頼するのが吉。

注意点は、それぞれのお店でオークション代行への注力の仕方が異なるということ。

実は私、クルマを乗り換える間に何度か引っ越しをしていて、新たな住まいの近くで代行業を探したことがあります。
ところが、あたった業者はいずれも微妙…
とりあえず業者登録しています、って感じのお店でした。
正直、その前にお世話になっていたプロのトレーダーのような戦略を立てられそうな雰囲気はありません
整備業をメインの業務にしているお店は、こうしたところもあります。

結局、その前から付き合いのある方に、無理言って遠方対応を依頼しています…

オークションへの参加の仕方 3. オークションサービスを利用する

もうひとつ、オークションサービスを利用する方法も有効です。

これはインターネットで車両情報を登録して、オークション形式で買取のオファーを受けられるシステムのこと。

「車両情報を登録」というと上で書いた悪夢が思い起こされますが、
この場合、個人情報が渡るのはオークションサービスのみ
オークションに参加する業者には個人情報は渡らず、車両の情報しか提供されない仕組みです。

上に書いたとおり、
  • オークション代行業をやられている方を探す
  • コンタクトを取る
  • イチからやりたいことを説明する
  • というのも何かと手間ですし、苦労もありますから、
    少ない手間でオークションに参加できるのも利点です。

    詳しくはこちらに書きましたので、売却を検討されている方はぜひご覧ください。

    関連記事 【自動車エンジニアが検証】ユーカーパックは本当にクルマを高く売れるのか? スポンサーリンク

    まとめ

    この記事では、クルマを高値で売ると意気込んで経験したイタイ失敗3選について書きました。

    • 高価買取!の高価は注意。価格はひとつの業者の主観ではなく、複数業者の入札で決まるもの。
    • 一括査定は便利だが、強引な電話や査定には注意。
    • オークションの高値査定効果は高い。最近は簡単かつ確実にオークションを利用できるシステムも登場している。

    私の経験した失敗は、ぜひスキップしちゃってください!

    お読みいただきありがとうございました。
    しげでした。

    スポンサーリンク

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です