8代目ゴルフの発表から1年経過し、VWはワゴンタイプであるヴァリアントを発表しました。欧州でSUVと人気を二分するワゴン市場には不可欠なトリムです。
ゴルフ8で採用された新技術はそのままに、ヴァリアントとしても7代目から進化を遂げています。
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もくじ
モデルの概要
Volkswagen
ゴルフ ヴァリアントはゴルフのステーションワゴン版。
「エステート」とも呼ばれるタイプですね。
ゴルフでは3代目で登場して以来、歴代モデルに設定されており、今回のモデルで6つめとなりました。
専用設計されたリアセクションのおかげで後席の足元の空間はハッチバックより広く、荷室も広い。
Volkswagen
ゴルフオールトラックはゴルフのクロスオーバー版。
第7世代でゴルフファミリーの仲間入りを果たしました。
ヴァリアントに対して高く設定された車高と、4MOTION(4輪駆動)で、走破性が高められています。
エクステリア
ヴァリアント
Volkswagen
エクステリアに関しては、Bピラーまではハッチバックと共通ですが、Bピラーから後ろ側はヴァリアント専用の設計です。サイドから見ると、先代に比べてリアウィンドウはより傾斜していて、美しいデザインに仕上がっていますね。
LEDライトは標準で、ハッチバックと同じデザイン。
Volkswagen
専用設計のリアセクションは、テールゲートのパネルがより立体感のあるデザインになりました。
リフレクターはリアバンパーの高い位置に移動されています。
バンパーのフィニッシャーはダミーです。
全長は4,640mmで、ハッチモデルに対して約350mm拡大されています。
ホイールベースも2,670mmでハッチに対して約50mm拡大。
これによって、トランクと後席のスペースが広がっています。
全高は1,485mm。幅1,790mmはハッチから変化ありません。
その他寸法情報はこちらからどうぞ
(リンク先の”Download Model Dimensions”からダウンロード可能)
オールトラック
Volkswagen
バンパーやボディ下端、フェンダーアーチに樹脂製の樹脂パーツをまとったオフロードルックが特徴的なグレードです。
全長はヴァリアントより6cm長い4,640mm、全高は+12mmの1,510mmです。
ホイールベースにも違いがあり、ヴァリアント+10mmの2,780mmです。
その他寸法情報はこちらからどうぞ
(リンク先の”Download Model Dimensions”からダウンロード可能)
インテリア
Volkswagen
外観はリアハッチが寝た美しい見た目をしていますが、実は室内への影響は小さい。
リア席の足元はハッチに対して+38mm。
荷室は611Lですが、リア席を倒してフロアを下段に設定すると、1,642Lまで拡大することができます。
先代のゴルフ7ヴァリアントよりも、後席とトランクの空間が広く設計されました。
しげ
トノカバーは後端を下へ押すことで巻き取られる構造。
タイヤパンにはスペアタイヤが収納されます。
フロントセクションは、標準のデジタルスピードメーターやオプションのマトリックスLEDライトなど、基本的には5ドアと共通。
Volkswagen
10.25インチの画面とインフォテインメント用の8.25インチのタッチスクリーンもハッチバックと共通です。
VWはセミプレミアムブランド、ŠKODAは実用性に振って付加価値を見出す、という過去からの構図は変わらないようです。
テクノロジー
エンジン・パワートレイン
Volkswagen
エンジンは2種類。
- 1.0 eTSI (1.0L 3気筒ガソリンエンジン / 110PS)
- 1.5 eTSI (1.5L 4気筒ガソリンエンジン / 150PS)
です。
eTSIはマイルドハイブリッドシリーズの名称。
本国にはローパワー版の1.5 eTSI (130PS)の設定もありますが、日本への導入はありません。
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ドイツにはまた、2Lディーゼルエンジンの2.0TDIも展開されていて、全グレードに設定があります。
VWによると、2リッターディーゼルエンジンにはダブルSCR触媒コンバーター、ダブルAdBlue噴射が装備されており、窒素酸化物を低減させているとのこと。
このうち、欧州向けオールトラック用のTDIは、最大出力200PSを誇る高出力版。
本国ドイツに設定されるディーゼルモデルの最高峰、GTD向けのエンジンと同じです。
IQ-Light – LED matrix headlights
Volkswagen
オプションで設定されるIQ.Lightは、照射範囲を複数の範囲に分割し、状況に応じて照らす範囲をコントロールするもの。
Volkswagen
例えばハイビームで運転する場合、カメラで対向車や先行者を見つけて特定の範囲だけを照らすことで、他のドライバーを困らせることなく、自車の行く先を広範囲で照らせる。
実際の動画を紹介します。
この動画だと、先行者を追い越すときに左側だけがハイビームになっています。
アダプティブシャーシコントロール
こちらもオプションですが、アダプティブシャーシコントロール(DCC)と呼ばれるサスペンションのモード設定機能が採用されています。
CONFORT、ECO、SPORTなどの基本的なモードに加えて、これらをもとにサスペンションや駆動力の出方など、個別の設定もできる。
この個別設定はゴルフ7以上の範囲で調整ができます。
しげ
グレード
グレード | eTSI Basic | eTSI Active | eTSI Style | eTSI R-Line |
エンジン | 1.0 eTSI | 1.5 eTSI | ||
パワー | 81kW(110PS) | 110kW(150PS) | ||
トルク | 200Nm | 250Nm | ||
変速機 | 7 DSG | |||
全長/全幅/全高/ホイールベース | 4,640 / 1,790 / 1,485 / 2,670 |
余談ですが、本国ドイツには”Variant“と呼ばれるベーシックなグレードが存在します。こちらは1.0TSIと2.0TDIの設定があり、ともに6速MT。
さらに、ドイツでは全グレードに2.0TDIの設定もあります。
ドイツ向けのオールトラックは2.0TDIのみの設定ですが、日本向けには先代と同様、1.8LのTSIが適用されることになりそうです。
1.0eTSIのActive BasicとActive
エントリーモデルとして、Active BasicとActiveが設定されています。
主要装備は、
- ACC アダプティブクルーズコントロール
- レーンアシスト
- パーキングセンサー
- 予見型歩行者保護
- デジタルコックピット 10インチスクリーン
2者のうち上位グレードのActiveで追加となる機能は、以下のとおりです。
- 3ゾーンフルオートエアコンディショナー
- スマートエントリー&スタートシステム”Keyless Access”
- ハイビームアシスト
ACCやレーンキープなどのドライバ支援システムやデジタルコックピットなどはうれしい標準装備。
eTSI Style
Styleは1.5eTSIと組み合わされ、上位に位置するグレードです。
装備はActiveに加えて
- 17インチホイール
- 専用バンパー(3フィンのうち最下部にメッキ)
- サイドウィンドウ下側のクロムメッキ
- グリルまで伸びたデイライト
- ”Style”バッジ
- マイクロフリースシート
- スポーツコンフォートシート(運転席/助手席)
- インテリアアンビエントライト(30色)
- ステアリングヒータ
- パークディスタンスコントロール
- オプティカルパーキングシステム
- オールウェザーライト
外観は加飾や大径ホイールが目立ち、シートもマイクロフリースを用いた上質なものとなります。
インテリアアンビエントライトは設定できる色が30色となります。
駐車中に障害物の存在を警告音で知らせるパークディスタンスコントロールや、障害物の状態をモニタに映し出すオプティカルパーキングシステムなど、駐車時にドライバを支援する機能も標準装備です。
R-Line
Volkswagen
R-Lineは最上位に位置するトリム。
内外装には専用部品が充実しています。
- 専用17インチホイール “Valencia”
- 専用スポーツサスペンション
- 専用アルミ調ペダル
- 専用プログレッシブステアリング
- 専用バンパー / グリル / サイドスカート
- 専用ファブリック&マイクロフリースシート
- ”R-Line”バッジ
オールトラック
Volkswagen
独自のキャラクターかつ上位グレードに位置する、オールトラックです。
- 全輪駆動 “4MOTION”
- 専用17インチホイール “Ronda”
- 専用フロント / バンパー
- ALLTRACKの刺繍とアルカンターラをまとったオールトラック専用シート
ゴルフ8のオールトラックに組み合わされるのは、上で紹介した200PSの2.0TDI。
上で紹介したとおり、日本仕様は1.8TSIとなりそうです。
牽引性能は150PSのTDIに対して400kgプラスの2,000kgとなり、4MOTIONとの組み合わせで走破性も高められています。
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YouTube
雑誌
海外メディアの評価を紹介します。
AutoBild
最初のテストラップでは、R-Lineトリムで150PSの1.5eTSIがは心地よく、自信に満ちた印象を与える。 ハッチバックに対してプラスの大きさや重さは、日常生活ではほとんど気にならない。Mit neuer Größe findet der Golf Variant zurück zu alter Stärke
ということで、正常進化したハードウェアが褒められています。
本文中では、「過去最高のヴァリアント」という表現も見られました。
auto motor sport
ドイツの雑誌auto motor sportでは、ソフトウェアについてこんな評価が付きました。
総評としては、中央には、オプションのDiscover Proシステムの10インチのタッチスクリーンがあり、自動空調の温度制御と音量設定のための静電容量式スライダーが付いている。 温度の正確な設定にはある程度のタクトが必要であり、個々のメニューは目につきにくく、探さなくてはならないことが多いと感じる。 Discover Proが優れた解像度で、ソフトウェアエラーに対するアップデートで良い反応をするようになっただけに、これは残念。Praktisch besser
ホイールベースを伸ばしても、コーナリング性能の落ち込みはなく、高いレベルの快適性を維持する。(中略)全輪駆動とトレーラー牽引性能を備えたAlltrackは、より多くのトラクション、パワー、ユーティリティをもたらした。Praktisch besser
ヴァリアントとして居住性や使い勝手を向上させながら、走りの性能も損なわない。
実用性と走りのバランスに対する評価は、AutoBildと同様のようです。
SNS
ドイツの自動車サイトMOTOR TALKから、ヴァリアント好きなドイツ人のコメントを紹介します。短距離とか、長距離でもトレーラーをひく場合は、ハッチでも大丈夫。
でもそれ以上の使い方なら、私にとってはステーションワゴンだけが「家族向けか?」の答えになる。
十分なスペースがあるから。
持ち家があるってこともあって、コンビで何か運ぶときはいつもいい気分。
5ドアではちょっと難しいかも、って思うものを運ぶこともある。Golf 8 familientauglich?
しげ
私にとってハッチバックゴルフは子供と一緒に旅行するには小さすぎる。 トレーラー抜きにしても、ゴルフ自体に問題がある。 これは何を持っていくかによるけど。 夏に妻のシュコダのステーションワゴンで10日間過ごしました。トランクは限界いっぱい。 これはファミリーカーの話で、自分のハッチバックはほぼ(99%)仕事にしか使わない。Golf 8 familientauglich?
家族向けに5ドアハッチは使えるか?というスレッドからですが、ヴァリアント派は5ドアではファミリーユースには小さいという意見。4人での長距離移動や、荷物が多い使い方をする場合は、ヴァリアントの利点が十分に発揮されそうです。
ワゴンを選ぶことの意味については、といったコメントも見れらます。
そして私が好きなコメントがこれ。ステーションワゴンの一般的な論点は ベビーカー、夏のバカンス(イタリア、クロアチア、オーストリア、スペイン、スカンジナビアなど)、そしてもちろんスキーを持っての冬のバカンス。他にも多くの物を必要とする多くのレジャーがあります。 多くの場合、ワゴンは最も美しくもあります。 Golf VIII Variantより引用
ワゴンの実用性について述べた後、ワゴンは最も美しくもある、と表現しています。
ただスペースが欲しければバンでもSUVでも何でも良くなってしまう。そうではなく、実用性、走り、デザインのバランスが取れているからこそ、ワゴンが欲しくなるのです。
まとめ
本記事では、ゴルフ8ヴァリアントについて紹介しました。
- 第8世代ゴルフのエステート
- マイルドハイブリッドやアダプティブサスペンションなど正常進化したハードウェアはハッチから引き継ぐ
- 室内の実用性と外観の美しさを兼ね備えるエステート
しげ
お読みいただきありがとうございました。
しげでした。
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