【横力を適正化しよう】クルマが左に流れるときの対策3つ

アライメントが正しく取れているのに車両が横流れしてしまうのは、タイヤに発生する残留コーナリングフォース(RCF)が原因でした。

関連記事 【真因はタイヤの残留コーナリングフォース】直進したいのにクルマが左に流れる原因

残留コーナリングフォースそのものは悪者ではありません。
むしろ、クルマの開発時や組立時には、路面の傾きによる流れに対抗すべく、残留コーナリングフォースは適切に設定されています。

車両が横流れを起こしてしまうのは、RCFが車両や路面に対して不適切であるということです。

この記事では、これらを踏まえて私達が愛車にできる対策はなにか?について、順に説明していきます。

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クルマが左に流れるときの対策1.摩耗したタイヤを履かないこと 

不適切なRCFが発生する原因の1つめは、摩耗したタイヤを履いてる場合です。

そもそもタイヤが摩耗していては、タイヤの設計通りの力がでません。

TOYOTIRE株式会社の特許にも、こんな記述が含まれています。

タイヤが摩耗することで、ショルダー溝の深さが浅くなるため、ショルダー溝により発生するPRCFが小さくなる。したがって、タイヤの摩耗により、適正なPRCFを発生させることができない場合があった。2017-109638号 タイヤ より引用

摩耗が見られる場合は、迷わず新品への交換をしましょう。

クルマが左に流れるときの対策2.右側通行用のタイヤを装着しないこと

原因の2つめは、右側通行用のタイヤを装着しているケースです。
タイヤには使用する国や地域を意図した場合があります。

右側通行用に設計されたタイヤは、右へ傾いた路面の水勾配に対抗すべく、RCFが左へ発生するように設計されていることがあります。
このタイヤを日本で使用すると、左へ傾いた水勾配の作用と相まって、大きく左へ流れる可能性があります。
タイヤだけでなく、輸入車でもうこうしたことが起こるケースもあります。

タイヤ交換の際は、並行輸入されたタイヤを履かないことが吉です。

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クルマが左に流れるときの対策3.4輪のRCFの合計を右側へ出すこと

不適切なRCFが発生する原因の3つめは、4輪のRCFの合計が左側へ出ている場合です。
タイヤにもばらつきがありますので、4本のタイヤが横流れに対して不利な組み合わせとなる可能性もあります。

対策は、RCFの合力が右側へ出るようにタイヤを配置することです。

すぐできることとしては、前後輪の左右をそれぞれ入れ替えてみることです。

ただし、RCFのうちプライステアの占める割合が大きい場合は、これでは不十分です。
コニシティとプライステアの章で紹介したとおり、クルマの進行方向に対するプライステアの発生方向はタイヤに配置によらないからです。

また、新品タイヤを装着するときには、製造ラインで行われるような事前の横力測定も必要になります。

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横力を測定してタイヤ配置を提案してくれるお店があります

上で紹介したようなタイヤの横力測定には、RCFを推測できる機械と、その機械を操作できる技術者の両方が必要です。
設備に加えて高度な技術と知識も必要なので、普通のタイヤ屋さんでは対応ができません。
タイヤ屋さんにとっても、この手の話はハードルが高いんです。

しかし、LFDを測定して適切な配置を知りたいと本気で思うのなら、それを手助けしてくれるお店があります。

>>ジェームス 安城店

もともと「カーランドバーデン安城店」としてサービスを提供されていましたが、2020年夏からカー用品とカーメンテナンスの専門店「ジェームス」の1店舗としてリニューアルされています。

バーデン時代からタイヤ研究への熱意は有名で、そのDNAはジェームスになった現在も引き継がれています。

なかなかここまでこだわったタイヤ屋さんは多くありませんが、GSP9700というタイヤ横力を測定可能な機械をお持ちで、それを的確に操作し結果を考察できる技術者もご在籍。

GSP9700による測定結果から、横流れを可能な限り低減可能なタイヤの組み方、配置を提案してくれる…。 まさに、自動車メーカの量産ラインで行われている種のタイヤ配置の考え方ですね。

LFDだけでなく、高速シミー(微振動)の原因となるRFV (もしくはTFV)の適正化もされています。

タイヤのばらつきに関しても熟知されていて、測定したタイヤで所望の結果が得られなければ、タイヤを追加発注して作業された内容もブログに上がっています。

自動車メーカの量産ラインでは、ここまでできません。
技術的に合理性があっても、様々な制約によって実現に至らないこともあるからです。

素晴らしいのは、遠方の場合、通販でもタイヤの組換をお願いできるということ。
全国の横流れに困ったオーナー様に、救いの手を差し伸べてくれています。

安価な工賃ではありませんが、他で代わりがきくかどうか?という見方もすると、より適切に判断することができると思います。

>>ユニフォミティマッチング

クルマが左に流れるときの対策まとめ

この記事では、「【横力を適正化しよう】直進したいのにクルマが左に流れるときの対策3つ」について書きました。

アライメントに狂いが無ければ、できることはつぎの3つです。
  • 摩耗したタイヤを履かないこと
  • 右側通行用のタイヤを装着しないこと
  • 4輪のRCFの合計を右側へ出すこと

タイヤの横方向の力については、横力の診断やタイヤ配置の提案をしてくれるサービスも紹介しました。

お読みいただきありがとうございました。
しげでした。

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