「輸入車、ドイツ車の購入を検討している」
「複数の自動車ブランド、なにを基準に選ぼうか」
「ブランドのイメージを知りたい」
こうお考えの方へ。
突然ですが、自動車メーカーがどんなユーザー像を思い描いてクルマを開発をしているか、考えられたことはありますか?
こちらの記事では、ドイツ車ブランドごとのオーナーのイメージを紹介しましたが、本記事ではちょっと変わった切り口でクルマとユーザの関係性を紹介します。
そして、
「あなたに選ばれることを想定しているのは、どのブランドか?」
「あなたに似た人は、どんなブランドを選んでいるのか?」
について、回答していきます。
クルマ選びをする時の参考になる情報も記載しましたので、ぜひご覧ください。
スポンサーリンクもくじ
市場にはあなたを含めこんなユーザーがいる
ご存知の通り、輸入車、国産車問わず、クルマは各ブランドごとにデザインや性能、価格などが多岐にわたって商品展開されています。これらのモデルは、社会要請、消費者の好み、自社ブランドのイメージ、時代の流行りなど、さまざまなニーズに答えるべく考えられたものです。
そして重要なのが、どのような人に価値をアピールしたいか?といったユーザー像。
それは例えばユーザの年齢や性別、家族構成などが基本の軸になるのですが、それとは別に、ユーザーをキャラクターで分類することもあります。
性別や年齢が同じでも、価値観が異なれば、それぞれにハマる商品も異なるからです。
では、どういったキャラクターがいるのでしょうか? ここでは、欧州の自動車開発現場で認識されているユーザーを紹介します。
以下で10のグループを紹介していきますが、ざっとスクロールして、写真からも雰囲気を感じ取ってみてください。 きっと私はここだ!と思うグループがあるはずです。
グループa. 伝統的な働き手
はじめに紹介するのは、現場を支える働き手のグループ。
すでに価値の確立された遊びや商品が好きで、気の知れた仲間内で遊んだり、価値観を共有したりする、伝統的なマインドをお持ちの方です。
「クルマは買いやすい価格であるべき」
「余計な維持費がかからなくて、すぐに壊れるものじゃ困る」
といった考え方でクルマを比較検討されます。
車選びのキーワード- 機能的
- コストパフォーマンス
グループb. モノ・消費重視
続いてはこちらのグループ。
大切にしているのは、より高い収入を目指すこと、そして買い物や持ち物のレベルを高めるために、社会でステータスを得るべく努力することです。
車は高性能のものや流行りのものが欲しいですが、現状は可能な限り費用は削減したい!とお考えの方です。
- 経済的
- コストパフォーマンス
グループc. カウンター・カルチャー
型にはまらず、快楽的なライフスタイルを大切にされる方です。
美的な刺激も大事にしており、新しいファッションやテイストを生み出すグループでもあります。
コミュニケーションや気分転換、娯楽を常に求めているため、自由な時間を持つことや、モノの購入で自己表現することに希望もお持ちです。
人生を楽しむために、制約から逃れることも選択肢になります。
- クール
- 若さ
- 気晴らし
- 刺激を感じる
- セクシー
グループd. 伝統的メインストリーム
続いては、伝統的なマインドセットのメインストリームの方々です。
保守的な考え方をお持ちの方で、経済的に安定した暮らしをされ、決まった習慣に従って過ごすのがしっくり来るタイプ。 秩序あるプライベートや家庭生活が重要で、すでに価値の確立された遊びや商品も好きです。
「安全で快適で維持費の安いクルマが欲しい」「せっかく買うなら乗っていて恥ずかしくない、少しは自慢のできるクルマがいい」
こういったタイプの方です。
車選びのキーワード- 長く愛されている
- 伝統ある
- 信頼できる
- 高いレベルの快適性
- 高品質
グループe. モダンメインストリーム
続いては、こちらのグループ。
調和の取れた生活を目指し、リスクをとらず、社会の中で人間関係を大切にされる方です。
家庭、子供が話題の中心であり、よく思いを巡らせる対象にもなります。
重要視するのは、生活の質、所有するもの、住む場所、社会的・精神的な安心感・安定感です。
クルマを選ぶときは、多用途で子供に適した、手頃な価格のモデルを中心に検討します。
車選びのキーワード- 家族向け
- 信頼性
- スポーティー
- ダイナミック
- かわいい
あなたは当てはまりましたか?
グループf. 革新的モダンメインストリーム
アクティブに行動するグループで、新しい経験やライフスタイル、モノやサービスに対して理解があり、充実した生活を送られる方々です。
気持ちは若く、ある程度変化にも柔軟で、買い物が楽しい!といった、活発な方ですね。
この方にとっては、仕事、家族やパートナー・友人との関係性、レジャー、社交性…どれもが捨てがたいものです。
ワークライフバランスを大切する、いわゆる「リア充」「陽キャ」系です。
ブランド品に対しても欲高く熱心になりますが、しかしジャンルが変わると全くブランドは気にしなくなる、そんな気まぐれな一面もあります。
車選びのキーワード- Fun to Drive
- スポーティー
- 官能的
- 創造的
- 現代的
- コネクテッド
- カーシェア
どうでしょうか?
グループg. アッパーコンサバティブ
伝統あるものを重んじたい。そして経済的に十分に自立していたい。
どちらかというと派手なことは苦手で、規律やマナーは大事である。
そういったキャラクターの方です。
クルマに充てれられる予算が十二分にある方で、
「優雅で洗練されたものに喜びを感じる」
「ハイレベルの快適性こそがクルマの価値だ」
「伝統とブランド、最先端技術を味わいたい」
とお考えの方です。
- 安全
- 高品質
- エレガント
- 良質なサービス
グループh. ソーシャルクライマー
上昇志向の強い方で、ブランド品に強い価値を感じる方です。
社会的地位が高く、収入も高い。
そのため、出世や高給を得る努力は優先度が高いですが、しかしそれ自体よりも稼いだお金で旅行や買物を楽しみ、人生を豊かにすることをより大切にされる方です。
車選びはズバリ、「有名なメーカーの最新の高級車が欲しい」です。
車選びのキーワード- 高度な技術力
- 名高い一流品
- ラグジュアリー
- アグレッシブ
グループi. アッパーリベラル
社会の規律や習慣にとらわれず、課題解決のため専門知識に加えて一般教養をもった方です。
仕事やプライベートでの自己実現を大切にし、他の価値観よりも自身の考え方を重要視されています。
先見の明があって社会的基礎力の高い方、と表現することもできます。
男女平等、性や価値観の多様性、SDGsなど、近年社会において大切とされている考え方を発信されている方でもあり、芸術や文化、健康的な暮らし、高い生活水準を維持することを大切にされていらっしゃいます。
クルマを選ぶ際には、安全性や実用性、環境負荷が少ないことに重点を置く傾向にあります。
車選びのキーワード- 革新的
- 安全性
- コロジー
- 流行りのデザイン
- ドライブの技術
- 実用性
グループj. ポストモダン
最後に紹介するこのグループの方は、高学歴の方や鋭い考えを持った方が多く、都会的で時代の最先端を走る人です。
複数の顔を持ち、ライフスタイルにおいて革新的な試みを行う人です。
新価値を創造することに対してオープンで、トレンドを牽引することができるインフルエンサー的な要素もお持ちの方です。
「ライフスタイルの建築家」「トレンドセッター」と表現されることもあります。
車選びのキーワード- 魂のこもった車
- 独特の個性
- 業界を揺るがす
- 素晴らしい未来を感じさせる
- 自動車の再発明
図で表すとこうなる
以上、10のユーザーグループを紹介しました。
これをまとめて表すと、次の図のようになります。
縦軸は、社会的な立ち位置です。
上に行くほど収入も多い傾向にあります。
言い換えると、クルマに機能だけを求めたいか、エモーショナルな付加価値も求めたいか?の指標にすることもできます。
一方の横軸は、価値観の軸です。
左ほど伝統的、右に行くほど新しいものや革新的なものに価値を感じるユーザーの領域となります。
お気付きの通り、各グループは一部重なっている部分もあります。
先のグループをご覧になって、自分には2つ当てはまる、と思われた方もいるかも知れませんね。
車選びのキーワードを重ねると、こんな感じになります。
この図は、Sigma milieu®を参考にしたもので、この考え方をベースにした企画や開発・販売の戦略は、自動車メーカ以外でも多くの企業に取り入れられています。
上に示したものはあくまでも欧州の社会を表したものですが、日本や中国、アメリカも大枠の構造は似ています。 The German SIGMA Milieus®
他にも、INTEGRAL社がSINUS-MILIEUS®を提案しています。各自動車メーカの想定するユーザー像は?
では、先に紹介したグループに対して、開発にあたり各自動車メーカーがどのグループを想定しているかを見てみましょう。
ここで付け加えておきますが、自動車メーカーが特定のグループを想定するということは、そのグループからよく選ばれている自動車メーカーである、と逆説的に考えることもできます。
ここでは、ドイツの3大メーカであるメルセデス、BMW、そしてVolkswagen別に見ていきたいと思います。
Mercedes メルセデス
まず、Mercedesです。 ブランドの位置づけはこちら。
参考:Luc Samama // Mercedes Benz: Top global brands in the hands of media professionalsより
ご覧の通り、歴史と伝統ある商品が好きで、かつプレミアムな価値を求める方に選んでいただきたい。そんなコンセプトで商品を展開しているのが、Mercedesです。
メルセデスが想った使い手であり、結果、心を動かされてメルセデスを購入する傾向にあるのは、図のシルバーで示した層の方々です。歴史と伝統に基づいた付加価値をクルマに求める方をメインのターゲットにしていることがわかりますね。
高級車の代名詞であることは、日本でもドイツでも変わりません。
そんなメルセデスも社会の移り変わりに対応するため、より家族志向や未来志向の方にも響くモデルを考えています。電気自動車のEQシリーズもよく知られるようになりました。
代表的なモデルはCクラス。 エンジンを縦置きにしてセンタートンネルの中にプロペラシャフトを通し、後輪を駆動するという、「走る」ことにおいて合理的なFRスタイル。
前後重量配分が均等に近いことや、後輪と前輪の力をうまく旋回性能に活かせることから運動性能に優れ、さらにプロペラシャフトを通すためのセンタートンネルはまた、ボディ剛性を上げることにもつながる。
こうすると前輪は前方に、キャビンは後方に向かい、これがプロポーションを美しくさせ、目を楽しませる。
クルマの基本性能に関しては理論的にも感覚的にも理にかなっていて、かつ美麗である、このつじつまの合ったストーリーが伝統的に価値あるものであり、心を楽しませるものなのです。
一方、Aクラスはメルセデスの中でも新価値を提案するもの。
言葉や指先でナビやエアコンを操作できるインフォテイメントシステム、MBUXを備えて新たなユーザー体験を提供しつつ、前輪駆動の特徴を生かして広い室内や荷室を実現しています。
デザインもシンプルで洗練されたもので、こちらのCMも話題になりました。
最近のメルセデスベンツは、「官能的純粋」というデザイン哲学を取り入れています。
これは6つのガイドラインに基づいて定義されたデザインのコンセプトで、車種ごとに個性は違えど、どれを選んでもMercedesであると気付けるように、デザインの要素が織り込まれています。
BMW
次に、BMWです。
ブランドの想定するユーザーはこちら。
BMWも歴史あるブランドの価値を高めて、ブルーで示したような層に受け入れられるべく商品を開発しています。
Mercedesと同様に大きな付加価値を求める方に合っていますが、価値観の軸ではメルセデスよりも現代的で、スポーティーなものを求める方とマッチするブランドです。
実際にBMWジャパンのキャッチコピーも「駆け抜ける喜び」ですし、快適性よりもドライバーにとっての価値がより高いとして、ファンの人気を集めていますね。
フラッグシップモデルを世に出すM社のモデルは、過度に伝統的でも未来的でもない現代で、動的性能や風格の点で極めて高い魅力のあるものです。
代表モデルは、3シリーズ。 価格とデザイン、動的性能、環境性能、使い勝手がハイレベルにバランスされていて、日本でも大人気の車種です。
1シリーズは買い物や遊び、旅行など、どんな使い方にも馴染むコンパクトカーのキャラクターをもちつつ、先進的で上質な印象が若い層に響いています。
ブランドのヘリテージを重んじ、かつ高性能であって運転も楽しみたい、そんな方に支持され、そんな方を想って商品が展開されています。
MINI ミニ
MINIを支持する層をマップで表せば、緑で示した位置になります。
ブランド自身は歴史があるものの、BMW MINIの商品そのものはどちらかというと未来志向の方々に支持されていると考えられます。
自動車だけでなく、リビング領域「THE MINI LIVING URBAN CABIN」、ファッション「MINI FASHION FIELD NOTES Capsule Collection」にも手を広げ、空間やインテリアのデザインを手掛けたり、ザ・ウールマーク・カンパニーと手を組んだアートの活動を行っています。
さらに、若手デザイナーに自由な発送で作品を作れるスタジオ「A/D/O」や、ベンチャー企業のスタートアップをサポートする「URBAN X」といったプロジェクトも立ち上げました。
MINIはこのことについて、次のように明言しています。
私たちがブランドのメインターゲットを、イノベーションを起こす力を持つ「クリエイター」の方々と据えているからです。現代では、クリエイターの皆さんが世の中のトレンドをつくっています。彼らの心をつかむことで、1959年のように再び大きなMINIブームを起こし、大成功を収めたいと考えています。A/D/Oでクリエイターを支援したり、URBAN Xで起業家を支援したりしているのは、そうした考え方に則っていますし、リビングやファッションの取り組みも同様です。これらはすべて、「marketing without marketing(広告しないマーケティング)」なのです。 成長する企業のビジネス戦略 Vol.46より引用
MINIは既存の自動車の姿に固執することなく、クリエイティブで革新的な変化に肯定的な方な考え方を持っている、ということです。
世に影響力を持つを持つ人の心に響き、ブームを巻き起こしたい。そのために心揺さぶる洗練されたデザインのクルマや新たな活動を提案し、未来を切り開いていきたいという会社なのです。
ユーザー像としては、自動車が好き、そして新しいことにオープンであり、ソーシャルメディアを通じて社会に影響され・影響を与える。
そんな方に受け入れられているブランドです。
Volkswagen フォルクスワーゲン
最後に、世界最大の自動車メーカ、フォルクスワーゲンと、同グループ内のアウディ、ポルシェを紹介します。
まず、フォルクスワーゲンのブランドの位置づけはこちらです。
参考:Volkswagen Group Presentation – Brand Positioning within Volkswagen Groupより
VWは青色の部分をカバーしており、マーケットの主流となるユーザー向けにモデルを展開しています。
価格は比較的手頃ですが、一定の付加価値を提供するセミプレミアムブランドの位置づけです。ドイツ国内では国産車ですが、ドイツで生活した私の肌感では、日本と同程度のプレミアム性を感じられました。
VWを買う方のマインドとしては、ブランドの威厳を示したいというより、自己への褒美の色合いが強いです。
代表モデルはゴルフ。 ゴルフと言えば、コンパクトハッチバックのお手本で、ライバルメーカーはゴルフをベンチマークして商品開発を行っていると言われています。
Audi アウディ
アウディはメルセデスやBMWと並ぶプレミアムブランドですが、価値観の軸は未来的、革新的な位置づけを意識しています。
参考:Volkswagen Group Presentation – Brand Positioning within Volkswagen Groupより
歴史あるフルタイム四輪駆動のクワトロシステムで技術的なプレゼンスを示しつつ、比較的若く、エネルギッシュで、スポーツ志向の方向けにブランディングされています。
三者の中では、ワゴンタイプで魅力的なモデルも開発されています。
代表モデルはA4。 BMW3シリーズと同じく、デザインと質感、性能に優れ、エンジンやボディタイプなどは豊富なラインナップから選ぶことができて、価格も手頃です。
日本で人気があるのはA3です。
コンパクトな車体は取り扱いやすく、環境性能のも優れていて生活に馴染みやすい。そこにデザインの価値や高級感が付加されています。
また、近年急速に電動化を進めており、e-tronという電気自動車を軸にラインナップされていくこととなります。そしてVWの資料によると、すでにe-tronは新しモノ好きの方に受け入れられていていることが示されています。
ちなみにこのe-tron、乗り味は伝統的な内燃機関の自動車に寄せられています。
電気自動車といえば発進時にはタイヤがスピンするほどの強烈なトルクを発生しまが、そうではなく穏やかでしっとりとしたセッティング。バッテリの減りによるパフォーマンスの低下も目立たぬように上手くセッティングされていて、電気自動車であっても上質さをうまく表現しています。
Porscheポルシェ
参考:Volkswagen Group Presentation – Brand Positioning within Volkswagen Groupより
パフォーマンスの観点で、ポルシェほど威厳を示すブランドは無いでしょう。
そして上の図でご覧の通り、高い付加価値を提供しながら、マインドの観点では伝統志向から革新志向の方向けに、広く響く商品を展開していることもわかります。
図の左側は、ポルシェのアイコン、911。
1963年から続く歴史あるモデルです。
現代ではスーパーカーの部類に入りますが、有利とは言えない空冷エンジンを遅くまで採用し続けていたり、リアエンジン・リア駆動を採用していたり…。
それでも圧倒的な人気を誇り、製造された7割が現役であるという異例の現存率。911というのは、技術的な合理性だけでは語れない、ファンの心を根底から揺さぶる魅力が詰まっています。
一方のポストモダン領域は、最近発売されたタイカンなどの電動化モデル。
そしてこれはただのハイパフォーマンスな電気自動車ではなく、しっかりとポルシェの魂が宿るものです。
確かに、発進加速を繰り返しても他のBEVに見られるようなパフォーマンスの劣化を見せなかったり、ドライバーが楽しさを感じる要素である音も人工音などは使わず、電気システムの素の音を増幅してドライバーの耳に届くようにしていたりと、言い訳の無い真のポルシェであると言えます。
アウディのe-tronにアウディ色がでていることを紹介しましたが、ポルシェはポルシェで電気自動車でブランドを体現できているのです。
商品に相当のこだわりを持つことで知られていますから、納得です。
そして価値観の視点で上記の2者の中間に位置するのは、パナメーラなどのグランドツーリングタイプや、マカン、カイエンなどのSUVモデル。
十分な動力性能と実用性、快適性を備えつつ、ポルシェブランドを掲げる威厳あるモデルたちです。
大人気のモデルゆえに販売台数も多く、実はドイツのアウトーバーンで一番目立っているクルマでもあります。
ちなみにVolkswagenグループは下の図の通り、BentleyやLamborghini、日本に未導入のŠkodaやSeatとあわせて、うまく対象とするユーザーの守備範囲を分散しています。
参考:Volkswagen Group Presentation – Brand Positioning within Volkswagen Groupより
スポンサーリンクあなたがありたいユーザー像でブランドを選ぶもあり
以上の章で、自動車メーカが商品をアピールしたいユーザーの層を紹介しました。
ただしこれは市場においてその層の購入者が多いというだけで、売りたい対象を限定していたり、逆に各ブランドが好きな人のキャラクターを決めつけている訳ではありません。あくまでも、傾向の話であることをご理解ください。
このことはつまり、自分がありたいユーザー像のクルマに乗るという選び方も大いにあり、を意味しています。
あなたは、必要な性能・機能に集中してシンプル・クリーンでいたいですか。エモーショナルな価値も体感したいですか?
あなたは、歴史の中で確立された価値に魅力を感じますか。新たなモノ・サービスを取り込んで、いち早く未来を体験したいですか。
実は、どれも正解になることができます。
クルマを選ぶというのは、この上ない自己主張の方法でもあるわけです。
デザインや性能、価格の比較だけでなく、ご自身やご家族のキャラクターと組み合わせた見方をしてみると、クルマ選びに新たな観点を加えることができます。
横軸と縦軸がしっくりこなければ中古車を選ぶと合理さが増す
そうは言っても、自分の価値観と充てたい予算が必ずマッチするとは限りません。
こうした場合、自分の価値観を変えることは簡単ではないですが、しかし予算についてはうまく工夫することができます。中古車を視野にいれることで、グッと選択肢が広がるわけですね。 体感したい技術やデザイン、質感をもつクルマが予算内でうまく見つかれば、あなたが欲しいクルマを買うことにおいて合理さが増すことになります。
ただし、元のブランドの性格が崩れた状態のものを選んでしまっては本末転倒ですので、しっかりタマを見定めてくださいね。
スポンサーリンクおさらい
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この記事では、市場にいる10のグループを紹介して、各ドイツ車メーカーの守備範囲を次のようにお伝えしました。
各グループのマインドと、よく選ばれるブランドはこちらです。
キャラクター | 車選びの キーワード | よく選ばれるブランド |
c. カウンター カルチャー |
クール 若さ 気晴らし 刺激を感じる セクシー |
フォルクスワーゲン MINI |
d. 伝統的 メインストリーム |
長く愛されている 伝統ある 信頼できる 高いレベルの快適性 高品質 |
フォルクスワーゲン メルセデス BMW |
e. モダン メインストリーム |
家族想い 信頼のおける かわいい スポーティー ダイナミック |
フォルクスワーゲン |
f. 革新的 モダン メインストリーム |
Fun to Drive 官能的 創造的 現代的 コネクテッド カーシェア |
フォルクスワーゲン MINI BMW アウディ メルセデス ポルシェ |
g. アッパー コンサバティブ |
安全 高品質 エレガント 良質なサービス |
メルセデス
ポルシェ BMW アウディ |
h. ソーシャル クライマー |
高度な技術力 名高い一流品 ラグジュアリー アグレッシブ |
BMW ポルシェ アウディ メルセデス |
i. アッパー リベラル |
自動運転 デザイン 革新的 新技術 |
アウディ ポルシェ BMW メルセデス |
j.ポストモダン | 魂のこもった 独特の個性 市場を揺るがす 再発明 |
MINI アウディ ポルシェ |
自分と似た人がどんなブランドに心打たれるかの、参考にしてみてください。
また、自分のありたいキャラクターを関連付けて、ブランド選ぶをする助けになれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
しげでした。