こんにちは、しげです。
ツーリング中に仲間と会話したいのは、ライダーだけでなくドライバーも同じ…。
でもインカムのほとんどはバイク向けの商品。
ヘルメットにマイクとスピーカーを固定する前提なので、クルマで使うには工夫がいりますよね。
車でのインカムなかなか難しい。 pic.twitter.com/gHfbThltUv
— 華路() (@hanaji_VFR) July 19, 2020
簡易的な方法として、市販のヘッドフォンやイヤーマフにバイク用のインカムを固定する方法もあります。
でも、優れたヘッドセットが見つかればそのまま流用したいですし、なにより工作の完成度に自信もない…。
また、車内に複数人が載るときは、全員で会話に参加したい。
そんなわけで私は「市販のヘッドセットとインカムを接続して使う」ことにこだわって、納得の行く方法にたどり着きました。
この記事では、「バイク用インカムをクルマで使う方法3選+α【適さない方法もあり】」について紹介します。
内容はすべて、部品の加工や工作無してできるものです。
もくじ
バイク用インカムをクルマで使うときのポイント
バイク用インカムを車で使うためには、
を考えることになります。
私の結論は、「付属のマイクとスピーカーを使わず、市販のヘッドセットとインカムを接続する」こと。
これであれば、幅広いヘッドセットのラインナップから商品を選ぶことができます。
また、長時間・長期間使うものなので、人間工学に基づいて開発されたものを愛用したい、という私の狙いにも合致します。
ヘッドセットをインカムと接続する時のポイントは次の2つ。
- インカムにマイクの外部入力があること
- インカムにスピーカーの外部入力があること
単純ですが、これだけです。
一見すると簡単そうに見えるでしょう。
しかし外部接続ができるインカムは意外と機種が限られますし、接続できても音が聞こえないなど、意外な落とし穴もあったりもします。
以下で、これらの条件を満たすインカムを紹介していきます。
USBやミニプラグなど、市販のヘッドセットと接続することができ、かつ正しく通信できる端子である必要があります。
バイク用インカムをクルマで使う方法 1. SENA
車でインカムを使う方法の1つめは、SENAの製品を使う方法です。
日本では、B+COMと人気を二分する製品。
インカム市場で上位のブランドであるだけに、8人以上での同時通話ができることや、通信距離が直線で2kmにも達する機種があるのも大きな魅力です。
しげ
主要な製品ラインナップのなかで、クルマで使うのに適しているのは以下の機種です。
- SENA 50S
- SENA 30K
- SENA 20S
市販のヘッドセットを使用するための外部入力は、以下のとおりです。
機種 | マイク外部接続 | スピーカー外部接続 |
SENA 50S | 2極マイクロジャック(2.5mm) | 3極ミニジャック(3.5mm) |
SENA 30K | 2極マイクロジャック(2.5mm) | 3極ミニジャック(3.5mm) |
SENA 20S EVO | 2極マイクロジャック(2.5mm) | 3極ミニジャック(3.5mm) |
いずれのモデルも、市販のプラグを接続できます。
マイクの接続は、直径が2.5mmのマイクロプラグです。
マイクの取り外し方は、YouTubeの公式チャンネルで説明されています。
スピーカー(イヤホン)は、AUX入力端子に差し込むことが可能。
一般的なイヤホンジャックですね。
ヘッドセットとの接続方法、必要な部品は、別の記事でも紹介します。
完成図はこんな感じです。
スポンサーリンクバイクのインカムを車で使う pic.twitter.com/gcm5s9pF1I
— たれみみ (@Taremimi7710) June 26, 2020
バイク用インカムをクルマで使う方法 2. 6Riders
つづいての方法は、4 Riders / 6Ridersを使用する方法です。
4 Riders / 6Ridersは、大人気の中国製インカム。
OEMの生産で、複数のブランドで市場流通しています。
最大の魅力は、1台6000円程度でインカム体験ができること。
4人での同時通話やスマートフォンとのBluetooth接続など、インカムでできるほぼすべての体験を圧倒的な低価格で味わうことができるのは、かなりの強みです。
さらにもう一つ、我々クルマでインカムを使いたい組に、このインカムが隠れたもう一つの素晴らしい長所を発揮してくれます。
それは、汎用ヘッドセットを使用するための外部入力。
機種 | マイク外部接続 | スピーカー外部接続 |
4 Riders / 6 Riders | 4極ミニジャック(3.5mm) |
なんと、市販のミニジャックのヘッドセットをダイレクトに接続することができるんです。
本体が安いだけでなく、ヘッドセット化するための小部品の費用も0円という、笑いが止まらない仕様です。
素晴らしい…。
音質が悪いのが玉に傷ですが、しかしそれは音楽を聞く時の話であって、会話をする分には全く問題有りません。
エントリーモデルの6 Ridersは一対一の通信のみ、上位モデルの4 Ridersは4人まで同時通信でます。
しげ
こちらの記事でも紹介しています。
【ドライブの楽しさ倍増】バイク用インカムをクルマで使う【6 Riders レビュー】
【ドライブの楽しさ倍増】バイク用インカムをクルマで使う【6 Riders レビュー】 スポンサーリンクバイク用インカムをクルマで使う方法 3. 4 LEXIN B4FM
最後にもう一つ、美しい構成でクルマ向けのインカム・システムを実現できる方法を紹介します。
LEXIN B4FMを使う方法です。
LEXIN B4FMも中国製のインカムで、基本的には4 Riders / 6Ridersと似た位置づけ。
価格は若干4 Riders / 6Ridersよりも高いですが、それでもB+COMやSENAの1/3ほど。
通信距離が1,600mあることや、最大8人までの通信に対応していることなどが6 Ridersよりも優れた点です。
肝心の外部接続ですが、こちらも4極のミニジャック1本でOKです。
機種 | マイク外部接続 | スピーカー外部接続 |
LEXIN B4FM | 4極ミニジャック(3.5mm) |
使ってない中華製インカムを有効利用。
— ぽっこりライダー (@hidepon67) May 2, 2021
バイクだけでなく、車でも使えるよう接続し直し。音声はBluetoothでカーステと繋いでスピーカーから音だししました。
これでバイクと車でツーリング出来ます。 pic.twitter.com/tLpdjaQDsF
日本国内でも購入されている方が多く、もはや怪しい中華製といった雰囲気もありません。
価格の割に品質や耐久性に優れている、というレビューがあるのも安心材料です。
バイク用インカムをクルマで使う方法 番外編 SENA SPH10
番外編としてもうひとつ簡単な方法を紹介します。
こちらをご覧ください。
SPH10 | 製品概要 – SENA Bluetooth Japan公式サイト
SENAが、耳掛けのヘッドホンタイプのインカムを販売しています。
こちらはバイク用ではなく、スポーツなどアウトドアでの使用が想定されたもの。
クルマで使うにもぴったりですね。
ヘッドセットとの接続などに悩む必要もありません。
実際に、こちらの動画でも、車の助手席の方が使用されていらっしゃいます。
動画内では、問題なく使用できていますね。
前方を走るライダーさんとコミュニケーションをとるのに、十分に役割を果たしています。
気をつけたいのは、この製品が両耳を塞いでしまうこと。
運転に必要な情報を邪魔しないよう、安全への配慮が必要となります。
しかし、余計な配線のないのが最大の魅力…。
通信距離も900mと、十分なSPECです。
しげ
クルマでしか使用する用途がない場合は、こちらの製品で十分です。
スポンサーリンク外部マイク・スピーカーを接続できないケース
以上、バイク用インカムをヘッドセットと接続する方法を紹介しましたが、接続できないケースもあるので注意が必要です。
ケース1. B+COM
その1つ目が、B+COM。
B+COMは株式会社 サイン・ハウスが開発するインカム。
2008年に初代が発売されて以来、インカムのシェアトップを誇る人気製品です。
最新のラインナップにはB+COM SB6X、B+COM ONEの2機種がありますが、残念ながらどちらも外部接続に適していません。
機種 | マイク外部接続 | スピーカー外部接続 |
B+COM SB6X | micro USB | B+COM専用 USB Type C |
B+COM ONE | B+COM専用端子 | B+COM専用 USB Type C |
外部接続は上記のとおりなのですが、致命傷はスピーカーの接続端子。
USB Type Cなので、市販の端子と接続自体はできます。
ところが中の端子配列がB+COM専用なので、接続しても全く音が聞こえません。
このことについては、B+COMの公式サイトでも次のように触れられています。
SB6X・ONEは市販イヤホンや変換ケーブルを使用できますか?
B+COM SB6X / ONEのスピーカー端子は、専用設計です。
基本的にUSB Type-C市販イヤホンや、変換ケーブルは使用できません。
(中略)
一般的なイヤホン端子は、L+、R+、そしてL/R供用-の3線となっています。
昔からあるイヤホン端子を見ると、先端がL+、真ん中がR+、ケーブル側L/R-となって端子が3つに分かれていると存じます。
音声入力対応イヤホンの端子を見ると4つに分かれていますが、これは「L+、R+、L/R/マイク-、マイク+」というような形となっています。
このようなLとRのマイナス(グランド)を供用した設計のUSB Type-Cイヤホンの場合は、使用できない状況となります。
使用可能になる状況としては、4極グランド分離型のイヤホンで、かつ、USB Type-Cの端子の位置が合致している場合です。
現在市場に流通している製品で、そのままB+COMに接続して使用出来るものが存在する可能性は、非常に低いと予想します。
高性能な国産インカムだけに、これを知ったときはかなり残念でした…
ケース2. SENA
SENAのインカムにも、外部接続ができない機種があります。
外部接続できない機種- ハイエンドクラス … 50R / SRL2
- ミッドレンジクラス … 10S / 10CPRO / SF4
- エントリークラス … 5S / SF2 / SF1
機種 | マイク外部接続 | スピーカー外部接続 |
SENA 50R | SENA 専用 | SENA 専用 |
SENA SRL2 | SENA 専用 | なし |
SENA 10S | SENA 専用 | SENA 専用 |
SENA 10C PRO | SENA 専用 | なし |
SENA 5S | SENA 専用 | なし |
SENA SF4 / 2 / 1 | SENA 専用 | 3.5mm ミニジャック |
いずれの機種も、外部接続に適した端子でないため、ヘッドセットを接続して使うことはできません。
どうしても手持ちのインカムを使いたいという場合
ヘッドセットとは接続できないけど、どうしてもクルマで使いたい!という場合には、マイクとスピーカーを市販のヘッドセットやイヤーマフなどに固定して使えばOKです。
参考になりそうなツイートをご紹介します。
皆さん工夫されていて、どれも参考になるものばかりです。
Senaインカムの動作確認&体験用ヘッドセットを、市販のイヤーマフを改造して製作しました。
— 新潟中央部品長岡店 (@ncbnagaoka) November 23, 2018
30K、20S、10S、5-FM全てヘルメット無しで検証可能になりました。スマホやナビとの接続テストに活躍してくれそうです。#SENA #30K #20S #SMH5FM pic.twitter.com/SnyhTTxlnP
ツーリングに車で付いて行く可能性が出たので、車用インカムを作ってみた😅 pic.twitter.com/jOJzt7WroM
— kenzi (@kenzi91397663) March 15, 2020
最近はトランポ&バイクで走る事も増えてきたので車で使えるインカムを作る!こういう工作は百均のやつのが加工しやすくて良いんだよなぁ pic.twitter.com/FOPLIQvlLE
— NKもと ✖ 8/29 CGC信州大町DNS (@NKmoto256) February 24, 2020
スポンサーリンク身代わり防壁強化した
— 茨城からの謎の物体X (@kisaragi_kuon) August 5, 2019
首エアコンにバイクのヘルメット用インカムのB+COMを取り付け
ちょっと重いけど車でツーリングだからなんとかなるだろう pic.twitter.com/nV5QyNzXE1
バイク用インカムをクルマで使う方法まとめ
この記事では、「バイク用インカムをクルマで使う方法3選+α【適さない方法もあり】」について紹介しました。
目指したのは、「市販のヘッドセットとインカムを接続して使う」こと。
スマートに、拡張性のある、そして快適にクルマへ転用することに重点をおきました。
予算と性能に合せて、満足の行くインカム・システムを構築してみてください。
しげ
お読みいただきありがとうございました。
しげでした。