こんにちは。しげです。
「ドイツで車を運転する予定がある」
「運転するための基本的なルールをおさえておきたい」
「注意すべきポイントを知っておきたい」
「ドイツのドライバーの運転は?ルールだけでなくマナーも知りたい」
そんな方に、ドイツで車を運転するときの基本をまとめました。
この記事では、街中と郊外路での運転について書いています。
アウトバーンを走られる方は、あわせてこちらもご覧ください。関連記事
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この記事の著者
しげ
自動車好きの自動車エンジニア。
欧州滞在経験あり。
車を使う仕事をしていたため、ドイツの教習所での訓練や、現地のプロドライバーの運転指導を受けました。
とにかく運転が楽しくて、ドイツを始め欧州諸国を年間5万キロのペースで運転していました。
もくじ
ドイツでの運転の基本ルール【市街地編】
まず、市街地での運転について紹介します。
市街地とは、速度制限の低く設定された街中のエリアのことです。市街地エリアに進入するときは、それを示す標識があります。
しげ
ドイツを訪れて車の運転をしようとしたら、ほとんどの場合、運転のスタートは市街地からとなるでしょう。
走行すべき車線
ドイツは右側通行
ドイツは世界の大多数の国と同じく、右側通行です。
走行している車は、左ハンドルのものが多いですね。日本とは逆です。
一度車線を走り始めてしまえば問題ないですが、また、路地や駐車場から出るときは、目視確認する車線も重要となります。
右側通行なので、追い越し
市街地を走っていて車線が片側2車線以上ある場合、追い越しはどちらからしても構いません。速度制限
市街地の速度制限は、50km/hです。 厳守しましょう。
ドイツは速度制限超えに対する罰則が厳しいことで知られています。
しげ
同じ速度オーバーでも、市街地は郊外よりも罰金が高く設定されていますので、注意しましょう。
また、50km/hより低い速度制限を示す標識があれば、そちらに従う必要があります。
よく出会うのは、30km/h制限の標識です。
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超重要!誰が優先なのかをあいまいにしない
ドイツで車を運転するときに絶対に認識しておかなければならないのが、誰が優先なのか?ということです。
ここをあやふやなまま運転していると、思わぬ事故を引き起こしかねません。
ここは必ずおさえておきましょう。
しげ
それでは、道路上では誰が優先なのでしょうか?
早速みていきましょう。
横断歩道を渡ろうとしている人が優先
車の前に、まず人です。
横断歩道を渡ろうとする人がいれば、その人が優先です。
横断をしようとしている人を見つけたら、必ず停止しましょう。
違反した場合、80€~の罰金となります。
優先道路を走っている車が優先
こちらは言うまでもありません。
優先道路には優先を示す標識が設置してありますので、覚えておきましょう。
標識に従えば良いので、難しいことはありません。黄色いひし形の標識は、優先道路であることを示しています。
この標識のある道路を走っている限りは、自分が優先です。
右側の斜線が引かれた標識は、優先道路終わりを示しています。
しげ
また、下の標識はその交差点に限って優先という意味です。
さらに、交差点に以下のような標識があったら、太線部分が優先となります。この場合、優先道路に沿って曲がる場合でもウィンカーが必要であることを覚えてきましょう。
反対に、自分が優先でない時の標識がこれです。
しげ
自分の右側から来た車が優先
ドイツの運転でややこしいのが、このルールです。
優先道路を示す標識がない場合、右から来た人が優先となります。
特に、市街地の30km/hゾーンでこのパターンが多いです。
ちなみに、相手が自転車や馬車であっても、優先度は変わりません。右から来ている車両に道をゆずりましょう。
日本より難易度が高いですが、しかし必ず覚えましょう。 何度もいいますが、事故を起こさないために本当に大切なポイントです。
ラウンドアバウトの中を走っている車が優先
ラウンドアバウトでは、中を走っている人や、出ようとしている人が優先です。
ラウンドアバウトにはついては次の項目で詳しく説明します。 進入する際は、中を回っている人が過ぎてから入るようにしましょう。
トラムが優先
トラムとは、街中を走行している路面電車のことです。
自分が優先の道路であっても、トラムと交差するときはトラムが優先です。
また、乗客の乗降中は追い越しできません。
優先順を確認してみましょう
これらを踏まえて、次の図で優先順を確認してみましょう。
交差点に進入するのは、トラム、バス、白い乗用車、黄色いタクシーです。
まず、トラムが優先となります。
トラムの次に優先権があるのは、優先道路を走る車両ですね。
この場合は、3時と6時方向の道路が優先であることが標識から読み取れます。
したがって、2番目の優先は右から来たバスです。
残りは左側の白い車と黄色いタクシー。
次の優先は誰でしょうか。
白い車はタクシーの右から来ているので、タクシーよりも優先権があります。
したがって、3番目の優先は白い車、最後はタクシーとなります。
以上、誰が優先なのか?についてでした。
自分が優先のときは速やかに通過し、相手が優先のときは必ず譲りましょう。
ラウンドアバウトの走行のしかた
ラウンドアバウトは、環状の交差点のことです。
進入する際は減速が必要であることから、交差点での重大事故を防ぐ効果があると言われています。
欧州での導入率はかなりのもの。
小さな町にある小型のものから、片側2車線の巨大なものまで、さまざまです。
最近では日本にも導入されてきているので、お住まいの地域によってはすでに馴染みのある方もいらっしゃることでしょう。
優先は中を走行している人
ラウンドアバウトは、中を走っている人が優先です。
ラウンドアバウトに接近したら、中を走っている人がいないか、しっかり確認しましょう。
場所によっては、中の状態が見にくいラウンドアバウトもあるので、こういった場合は中に入る前に止まれるくらいまで減速しておきましょう。
安全確認ができたら進入
中を走っている人がいたら、進入する前に停止し、自車の前を通過するまで待ちましょう。 安全確認できたら、進入してOKです。
誰も走っている人がいなければ、停止せずに進入しましょう。
しげ
右側通行の欧州諸国のラウンドアバウトは反時計回りです。 進入後は右側に進みましょう。
中を走っている人がウィンカーを出していたら、進入OK
中を走っている人が右ウィンカーを出しているのが見えたら、それは今自分が待機している道に出る合図です。
自車とラインが交錯しないため、進入してOKです。
ただし、運転に慣れない人が誤ってウィンカーを出している可能性もゼロではありません。
間合いを見ながら、万が一のときには停止できるようにしておきましょう。
しげ
ちなみに、中に入る時にウィンカーは不要です。
出るときは合図を
ラウンドアバウトから出るときは、一つ前の出口でウィンカーを出し始めましょう。
右側通行の国では、ラウンドアバウトの構造上右へ出ることになるので、ウィンカーは必ず右側に出しましょう。
1つ目の出口で出るときは、入ったときに出るための合図をしておく
出るときは、一つ前の出口で合図をするのがルールでしたね。
つまり、一つ目の出口で出るときはラウンドアバウトに入った瞬間が出る合図をするタイミングとなります。
小さいラウンドアバウトでは、普通の交差点のような感覚で、ラウンドアバウトに入る前から合図を出してしまっても構いません。
ラウンドアバウトに関するドイツ自動車連盟の動画を紹介します。
ドイツ語ですが、アニメーションを見るだけでも動きを理解いただけると思います。
踏切は一時停止不要
ドイツの踏切は、一時停止不要です。
不用意に停止して交通を乱さないようにしましょう。
もちろん、遮断器が降りていたら停止してくださいね。
信号を見失なうな!
見出しをみて「どういうこと?」と思われる方もいますよね(笑)
ドイツの信号機について紹介します。
日本の信号機と比べると、いくつか違う点があるからです。
設置されている位置が日本の信号と違う
ドイツの信号機は、日本の信号機とは異なる位置に設置されています。
日本だと、交差点の手前と奥に信号機がありますよね。
ところがドイツでは、交差点の先には信号機がありません。
つまり、信号の位置がとても近いのです。
もし自分が交差点の先頭に止まったら、基本的には自分の頭上にしか信号機がありません。
赤信号で停止するときにうっかり前に進みすぎてしまうと、自車の位置から信号機を確認できなくなってしまうので、注意しましょう。
また、上の写真のような交差点では、停車する位置によっては自車のAピラーで信号機が隠れてしまうこともあります…日本ではあまりこういったことは無いですよね。
お気づきかもしれませんが、このような位置に信号が設置されていると、日本とは違って交差する道路の信号は見えません。相手方の信号を見て、見切り発車できないようになっているのです。
出遅れ注意!青に変わったらすぐ発進
ドイツの信号は、赤から青に変わる直前、黄色信号が点灯します。
といった感じです。
このように、スムーズな交通のため、青になる前に青になることを予告してくれるのです。
先頭で止まったときは、後続車を待たせぬように信号に集中しておきましょう。
矢印信号は日本と同じ!固定式に注意
ドイツの信号にも日本と同様、矢印信号が存在します。
特定の方向のみ指示をする目的のものですね。
基本的には日本と同様、信号に示された方向に行く時、その信号に従います。
日本と違うのは、赤の矢印信号もあるということです。
もうひとつ注意したいのは、固定式の矢印信号があるということ。
写真のように、矢印部分が光るタイプではなく、ペイントされたものです。
この信号に遭遇したら、安全を確認できれば矢印の方向に進むことができます。
しげ
なお
ドイツでの運転の基本【郊外編】
次に、郊外路の運転について紹介します。
郊外路とは、市街地の外のエリアのこと。
市街地から郊外に出るときは、それを示す「市街地終わり」の標識があります。
こんな標識です。
速度制限
郊外路の速度制限は100km/hです。
しげ
速度制限を示す標識があれば、そちらに従う必要があります。
よく出会うのは、60km/h、70km/h、80km/h制限の標識です。
市街地と同様、速度制限が厳格ですので、うっかり制限を超えないように注意しましょう。
制限速度で走っていては危険なシーンも
郊外路の100km/hという制限速度は、超えていはいけない上限の速度。
日本とは異なり、その速度で走っていれば安全というものではありません。
しげ
車好きなら思わずスピードを出したくなるような絶品のワインディングも数多くありますが、無理は禁物です。
市街地の標識を見逃すな!
郊外路を走っていると、5分に一度は市街地に入ることになります。
しげ
郊外路から市街地に入るということは、制限速度が50km/hになるということです。
これは絶対に見逃すわけにはいきません。
仮に100km/hのまま突っ込んでいって50km/hオーバーなんてことをしたら、罰金280€、免停2ヶ月などの非常に重い罰則が課されてしまいますから。
市街地の手前にはこういった看板があります。
看板の位置までに減速し終わってなければなりません。
しげ
街が終われば、再び郊外路です!
追い越しは許されたところでのみ
追い越しは、禁止されていない場所のみで、安全に行いましょう。
次の場所では追い越しできませんので、注意しましょう。追い越し禁止の標識は、こういったものです。
右車線・左ハンドルに慣れていない場合は、車両の感覚もうまくつかめないでしょう。
よほどのことがなければ、郊外路で追い越しはしないことをおすすめします。
ドイツ人の運転マナー
ドイツで運転をする機会があるなら、ルールだけでなく、他のドライバーどのような運転をするのかも気になるところでしょう。
実は、ドイツはドライバーの技量やマナーが高く、とても運転しやすいです。
技量が高く、マナーがよい
基本的に、上で紹介したルールはよく守られています。
車両を操作する技量も高く、ワインディングではコーナーに合せて速度をコントロールし、リズムよく運転しているドライバーが多いです。
ドイツを運転しているとわかりますが、ドライバーのスキルの水準は日本より高いです。
大事なのは他車の動きを妨げないこと
各ドライバーはルールに従いながら、道路上での各人の適切な動きを思い描いています。
したがって、大切なのは他車の動きを妨げないことです。
具体的には、- 相手が優先ならしっかり待つ
- 自分が優先ならすみやかに通過
- 信号が青に変わったら発進
- 制限に応じてメリハリのある速度調整をする
といったところを心がけましょう。
とにかくドイツ人は安全に速く移動したいのです。
ドイツの合理的な交通ルールは、そんな思いのもとに作り上げられてきました。
優先権をうばわれたり、過度な減速・低速運転で時間をとられることを、とても嫌います。
他車へお礼するときの注意点
そうはいっても、ドイツ人ドライバーがあなたに対して意地悪をしたいわけではありません。
こちらが運転に慣れていないとわかれば、安全を確保してくれたり、道をゆずってくれたりします。
そんなときには慌てず落ち着いてお礼をしましょう。
注意したいのは、ドイツには日本のような「サンキューハザード」の文化がないことです。
日本のノリで、お礼をしたくてハザードを点滅させても、こちらの意図は伝わりませんので注意しましょう。
しげ
お礼するには、頭を下げたり、手で軽く合図するだけで十分です。
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この記事では、【ドイツのプロドライバー直伝】ドイツで運転するときの基本【市街地/郊外編】について書きました。
ルールとして重要なポイントを挙げると- 走行すべき車線 (特に路地から出る時や交差点を曲がる時)
- 速度制限
- 誰が優先なのかを完璧に理解する
その上で
- メリハリのある運転をすること
- 他車の動きを阻害しないこと
が重要であることを紹介しました。
しげ
お読みいただきありがとうございました。
しげでした。
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