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もくじ
マイルドハイブリッドとは?
なにがマイルドか
クルマでハイブリッドといえば、動力源としてエンジンとモータの2つの動力源をもつこと。
そのなかでもマイルドハイブリッドとは、その名の通りマイルドなハイブリッドのことをいいます。
なお
マイルドハイブリッドで使う電圧は60V未満。
一方で、マイルドでないハイブリッドにはストロングハイブリッドがあって、電圧は600Vを超える。
ストロングハイブリッドは優れた燃費を出すために、高い電圧でモータを動かすのです。
日本メーカは技術難易度の高いストロングハイブリッドで世界をリードしてきており、年々厳しくなる環境規制の中、ドイツ勢は日本勢に刃が立たない状況でした。
そこでドイツ勢が打った手が、マイルドハイブリッドを広く採用して燃費を底上げしようというもの。
ドイツの自動車メーカ5社などで「LV148」という規格を設け、マイルドハイブリッドの技術をドイツメーカーで低コストで共用できるようにしてきました。
メリットとデメリット
マイルドハイブリッドのメリットは、既存のエンジンにシンプルかつ低コストな構成で組み合わせられること。
もともとクルマには、ECUやメータ、ライトなどのための電源がありますね。
マイルドハイブリッドはこれをベースにしているので、複雑な電源システムを持つストロングハイブリッドと比べると、簡易的な構成で実現できるんです。
電圧が低いことから、電気安全の対策にかかるコストも小さいのです。
一方のデメリットは、環境性能の向上が限定的であること。 ストロングハイブリッドに比べるとモータの出力や使い方が控えめなので、燃費の伸びしろがあまり大きくありません。
言い換えれば、ガソリンエンジン色が強く、ガソリンエンジンの正常進化版とも考えることができます。
eTSIについて
TSIの電動版
VWグループのエンジンとして慣れ親しまれたTSIエンジンに、電動化(electrification)の” e “をつけて、eTSIとなりました。
しげ
このeTSIはゴルフ8だけでなく、VWグループのSEAT LEONや、ŠKODA Octaviaにも搭載されています。
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ジェネレータを使ったP0システム
Volkswagen
ゴルフのマイルドハイブリッドシステムは、48Vのマイルドハイブリッドシステムです。
ライトやメータ、ECUなどの12Vの電気系統に加えて、
- 48Vベルトスタータジェネレータ
- 48Vリチウムイオンバッテリ
- DCDCコンバータ
が追加されています。
ジェネレータとは、エンジンの動力を使って電気をつくる発電機。
これは通常、ベルトでエンジンとつながっていて、エンジンの動力で電気を作り出してます。
そしてこの発電機、電圧をかけるとモータとしても使うことができるので、必要なときは48Vバッテリからこのジェネレータに電圧をかけてトルクを出し、エンジンをアシストします。
Volkswagen
また、ゴルフ8では先代同様に走行中にコースティングします。
しげ
コースティング後に再び加速したいときや、強いブレーキが必要なときなど、エンジンを再始動する場合も48Vスタータジェネレータで始動します。
こちらはドライブ中にどれたけの時間コースティングに入るのかを検証した動画です。
時間にしておよそ1/4の間、エンジンが停止しています。
補足ですが、通常のエンジン始動はスタータジェネレータではなく、セルモータで行います。
反対に、ブレーキをかけるときには48Vスタータジェネレータを発電機として使い、走行用の48Vバッテリーと車載電源用の12Vバッテリーへ蓄電します。
ところで、ハイブリッドシステムは駆動用のモータがどこに位置しているかで分類することができます。
eTSIはモータがベルトを介してエンジンとつながっており、「P0」と呼ばれます。
By Continental
エンジンをサポートしてパフォーマンス向上
ハイブリッドのモータはエンジンの負荷を軽減させるだけでなく、エンジンに加えてトルクを出すことで、パフォーマンスを向上させることにも使われます。
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モータは低回転で大きなトルクを出すことができて、応答性もよい。
こうしたモータのキャラクターをうまく使って、内燃機関が苦手な発進時にトルクを太くしたり、中間加速のときにエンジントルクの遅れを補うことができるのです。
スポンサーリンクeTSIの燃費
カタログ燃費
ゴルフ8 1.5 eTSIの燃費は、17.3L/km (WLTP)です。
ゴルフ8 1.0 eTSIの燃費は、18.6L/km (WLTP)です。
auto motor sportの燃費テスト
ドイツの雑誌auto motor sportが、ゴルフ8 1.5 eTSIの燃費を検証するテストを行っています。
WLTPサイクルによると、マイルドハイブリッドのゴルフは、平均5.9 l / 100kmである。
したがって、燃料費は8.20ユーロとなる。
実際は、eTSIはこれよりちょうど1リットル多く消費することがテストで認められた。
6.9 l / 100 kmの平均消費量は、9.60ユーロのコストに相当する。
このコンパクトカーは、エコドライブされたエコラップでメーカーのSPECを下回ることができた。
ツアーの終わりには、我々は平均消費量を5.1 l / 100kmと決定した。
スポーティな運転をしたときの消費量測定となると、状況が異なる。ここでは、平均値は9.1 l / 100kmであった。
通勤時の消費量は、ほぼ平均消費量に対応しています。
auto motor sport VW Golf 1.5 eTSI Style より
カタログ燃費5.9L/100kmに対して、AMSのテスト結果は平均6.9L/100km。
km/L換算で14.5km/Lとなります。
エコドライブは5.1L/100km=19.6km/Lという結果もあり、高速を使った長距離ドライブではこれと同じくらいの燃費も期待できそうです。
実燃費
ドイツの燃費共有サイトSpritmonitorから、ゴルフ8の実燃費をまとめてみました。
データは
- ゴルフ8 1.5 eTSI 26台分
- ゴルフ8 1.5 TSI 39台分
のものです。
1.5eTSIの実燃費の平均値は、15.7km/L (6.36L/100km)。
1.5TSIと比較したところ、1.5eTSIは2.5%燃費がよいという結果となりました。
以下が統計結果です。
1.5eTSIと1.5TSIの差については、ほぼ誤差のようなものです。
1.5TSIはMT、eTSIはDSGなので、単純な電動化の差を反映できているわけではありませんが、やはりマイルドハイブリッドの燃費効果は限定的といえます。
まとめ
この記事では、eTSIとは?ゴルフ8マイルドバイブリット【欧州の実燃費データあり】について書きました。
- マイルドハイブリッドの概略
- eTSIの特徴
- 燃費の情報
についてお伝えしました。
燃費は、以下のとおりです。
カタログ燃費1.0 eTSI … 18.6L/km (WLTP)
auto motor und sportのテスト結果
ユーザー平均燃費
マイルドハイブリッドは、燃費効果としては限定的。
それよりも、モータの優れた特性による発進時の性能や、アクセルを踏んだときの応答性の良さが、ユーザーにとっての真の価値となるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。
しげでした。
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